2015年7月28日火曜日

De la Costa(1953), "Review: Asian Nationalism and the West, Edited by William L. Holland"

Asian Nationalism and the West (Edited by William L. Holland), Review Author: Horacio de la Costa, Philippine Studies vol. 1, no. 3 (1953): 280–283

アジアのナショナリズムに関する論集のレビュー。特にインド、ベトナム、マラヤ、インドネシアの独立ナショナリズムと共産主義の関係について紹介している。反共のトーンもあるが、アジアの独立ナショナリズムを尊重するトーンで紹介されている。共産主義者だけではないベトナムの独立運動をフランスが抑圧し、それをアメリカが支援することがかえって共産主義者の主導権を強める、との分析や、インドネシアにおいて共産主義者の冒険主義が反発を受けているにもかかわらず、反響の流れでアメリカにくみすることを拒むのは、過去の植民地統治及び独立戦争を踏まえた外からの影響への拒絶反応ゆえである、といった分析が示される。それが書評されている本のトーンなのか、それともデ=ラ=コスタのトーンなのかは分かりにくいが、おそらく両方なのではないかと思いつつ読んだ。

同じ年の論文のひたすら植民者の視点を教会の視点、そして自身の視点と重ねて読んでいく理解を思い起こすと、その両者が彼の中でどのように同居していたのかが少々興味深かった。

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